最近、各地の川や池で増えてしまって問題になっているのがカワリヌマエビ類です。
これは中国や台湾などから輸入されて
ペットショップでミナミヌマエビという名前で売られているものです。
水槽のコケを食べてくれたり、見ていて可愛いので人気なんですって。
しかし飼育していたものが川に捨てられたりした結果、野外で急激に増えています。
これには産地の違う複数の種類のエビが含まれますので
外来生物としては、まとめてカワリヌマエビ類として扱われることが多いです。
大和市など、近畿地方以北の本州にはもともとヌカエビというエビが生息していますが、
最近は採れるエビといえばカワリヌマエビ類ばかりという状況だそうです。
先日、そのカワリヌマエビ類の写真を撮る必要があり、水の中に網を入れて採集をしました。
▲カワリヌマエビ類(ヌマエビ科)
すると、いろいろな色のがいて、綺麗で可愛いのです……。
在来のヌカエビを脅かす有りがたくない外来生物なので、複雑な気持ちです。
ヌカエビとカワリヌマエビとは眼の上のトゲ(眼上棘)の有無や、
頬のように見える部分の棘(前側角棘) の有無で見分けるのですが
(ヌカエビは眼上棘があって前側角棘がなく、
カワリヌマエビ類には眼上棘がなく前側角棘がある)、
どちらも小さいので肉眼で見分けるのは難しいでしょう。
私は写真を拡大して調べましたので、角度によってこれらのトゲが見えないこともあり、
次の1枚は種類を特定できませんでした。
もしかしたらヌカエビかもしれません。
これらも綺麗ですよね。
大きな問題となっているカワリヌマエビ類なので、
日本の水辺からはいなくなって欲しいのですが、
これだけを駆除するというのはとても難しいでしょう。
人間に連れてこられて野外に放されたのに、
悪者扱いされて駆除の対象となってしまうのですから、
飼育している生き物をむやみに野外に放す行為は慎まなければなりません。
放した本人は「自然に返してあげた」と思うのかも知れませんが、
結局はその生き物たちを苦しめることになってしまうのですね。