2週間ほど前、「続・梅雨に咲く花」の中で咲き始めのハンゲショウを紹介しました。
見ごろはまだ続いていますので、改めて紹介しましょう。
▲湿生植物園内のハンゲショウ(ドクダミ科)の群落
花のそばの葉が白くなり花びら(花弁)の代わりを果たします。
このハンゲショウのところに多いのが、キリギリスの仲間のヒメギス。
▲ヒメギス(キリギリス科)
黒っぽい虫で、オスは「シリリリリリ……」と鳴きます。
ハンゲショウのところはヒメギスの大合唱。
しかし年を召されて聴力が衰えると、周波数が高いこの虫の鳴き声は聞こえなくなるようです。
そのヒメギスですが、よく見るといろいろな色や形のものがいることに気がつくと思います。
この個体は翅が長いですね。こういうのを長翅型といいます。
また、色も少し薄いようです。
上面が緑色になるものもいます。こういうのは緑色型といいます。
そして数は少ないですが、体が緑色で翅が長いもの(緑色型で長翅型)もいます。
同じ種類の虫でも、みな同じではなく、このように変異が見られることがあります。
また、ここで紹介しているものはすべてオスですが、メスには刀のような形の産卵管があり区別は簡単。
たくさんいるヒメギスですが、教えられなければその違いに気づくことは少ないと思います。
皆さんは気づいていましたか?
気づいていた方は再確認を、知らなかった方は確かめてみるといいでしょう。
うっとうしい梅雨の時期ですが、ヒメギスの声に耳を傾けながら、色や形の違いを気にしてみるのもいいと思います。
虫の世界も面白いものですよ。