おととい(8/1)は午後から大雨になりました。
泉の森の水辺は調整池としての機能を持っていますので、大雨になると洪水で水没することがあります。
私は泉の森に来て8/1でちょうど1年10か月だったのですが、ようやく洪水による水没を目撃できました。
この1年10か月の間に水没するほどの洪水は2回くらいありました。
しかしそんな時に限って非番だったり休館日だったりしたのです。
▲調整池のいつもの状態(上)と水没した状態(下)
▲同じく水車小屋
水車小屋付近は人の背丈より深くなっていたことが分かりますね。
さて、こんなとき生き物たちはどうしているでしょう?
▲アオサギ
アオサギはふれあいステージの手すりにとまって魚でも狙っているようでした。
しかし、ほどなくここも水没したので、どこかへ飛んでいきました。
▲カルガモ
カルガモはいつもと変わらぬ様子で泳いでいました。
このように水鳥たちは元気でしたね。
虫たちはというと……。
▲緑のかけ橋の橋脚を登るバッタたち
地面や草が水没したのでバッタたちは水にのまれました。
たまたまたどり着いたのが橋脚だったので、そこへ登ったのです。
もっと下流まで流されてしまったものも多いのでしょうね。
橋を渡ってみると、バッタたちは橋の上まで登ってきていました。
▲イナゴ類の幼虫(左の2匹)とクビキリギスの幼虫(右の1匹)
橋を渡る私の身長より高いところまで登っているものもいました。
そういうバッタたちは、えっちらおっちら5m以上登ったことになります。
そんなに登らなくたって大丈夫なんですが……。
バッタだけでなく、ハサミムシやゴミムシなど、たくさんの昆虫が橋脚に避難していたんですよ。
中にはこんなのも。
▲シマアメンボ
アメンボはいつも水上生活なので避難しなくてよさそうなものですが、橋の上まで登っていました。
心配症なアメンボですね(笑)。
さて、ここからは、水が引いた翌朝(8/2)の写真です。
▲木の上にいるオンブバッタ
樹木も低い枝は水に浸かりました。
そこへ泳ぎ着いたバッタたちも多く、たくさんのバッタが木の上にいたんですよ。
この写真のバッタたちも地上から2m近い高さのところにいました。
普段は絶対にいないようなところにバッタがいるので、とても面白いのです。
▲木の葉の裏のナナホシテントウ
ナナホシテントウも木々の葉にたくさんいました。
彼らは今、冬眠ならぬ夏眠の時期です。
餌となるアブラムシがいない夏、彼らはススキの根もとなどで寝ているのです。
洪水によって叩き起こされ、泳ぎ着いた木の葉に身を寄せたのでしょう。
こんなこともありました。
▲羽化するミンミンゼミ
洪水ゴミの後片付けをしていた午前中、2匹のセミの幼虫を見つけました。
昼過ぎに見に行ってみると1匹は羽化済み、もう1匹はちょうど背中が割れているところでした。
普段は暗くなってからでないと見られないシーンが真っ昼間に見られたのです。
不思議ですよね(ニイニイゼミは昼間に羽化することがよくあります)。
昨晩羽化しようと思ってできず、夜が待ちきれなかったのでしょうか?
それとも、また洪水になるといけないと思って、早めに羽化したのでしょうか?
セミは2匹ともミンミンゼミのオスでした。
泉の森の水辺近くに棲む生き物たちにとって洪水は招かれざるものでしょう。
洪水は泉の森に暮らす生き物たちが乗り越えなければならないハードルなのです。
宿命と言ってもいいでしょう。
洪水をものともせずに生き抜いた彼らに拍手を送ってやりたくなりませんか?