擬態の好例として取り上げられることが多いのがナナフシですね。
泉の森にはナナフシモドキ、ニホントビナナフシ、トゲナナフシという3種類のナナフシが生息しています。
自然観察センターではこのうちナナフシモドキとトゲナナフシを展示中でした。
ニホントビナナフシもそのうちひょっこり見つかるだろうと思っていたのですが……。
なかなか偶然には見つからないので、昨日探しに行き、幼虫を1頭捕まえました。
▲ニホントビナナフシの幼虫
おそらくあと1回の脱皮で成虫になる幼虫(終齢幼虫)でしょう。
ニホントビナナフシはコナラの葉をよく食べます。
飼育中の他の2種もついでに紹介しましょう。
▲ナナフシモドキ
大きいものだと頭の先から尻の先までの長さが10cmにもなるナナフシモドキ。
現在、緑色の個体(緑色型)と茶色の個体(褐色型)を各1頭飼育しています。
小さなときから飼育していますが、卵を産み始めていますので成虫になっているようです。
ナナフシモドキはコナラやサクラ、バラなどの葉をよく食べます。
▲トゲナナフシ
体が太短く、トゲがあるトゲナナフシ。
トゲナナフシも2頭飼育中です。
こちらはまだ卵を産んでいないので幼虫のようです。
トゲナナフシはヤツデやツタの葉をよく食べます。
飼育中のナナフシたちはすべてメスです。
「オスがいないのに、産んだ卵はどうなるの?」と思われることでしょう。
でもご安心ください。
これらの種ではオスも見られますが極めて少なく、通常はメスだけで繁殖します。
未受精卵が孵(かえ)る単為生殖という方法で増えるのです。
実は昆虫の世界には、メスだけで増えるものがかなりいるのですよ。
木の枝そっくりなので、いるのになかなか見つからないナナフシ。
自然観察センターでは3種類いっぺんに見られますので、是非お越しください。
金網やガラスにくっついていることが多く、擬態している感に乏しいのが玉に瑕(きず)ですが……。