今日の昼、キャンプ場から「ハチが枝にたくさんいる。とりあえず周りを囲ってあるが、
人が通るところなのでなんとかしてほしい」旨の電話がありました。
さっそく行ってみると、そこにいたのはムモンホソアシナガバチでした。
▲ムモンホソアシナガバチ(スズメバチ科)女王の越冬集団
ムモンホソアシナガバチは秋に生まれて交尾を済ませた女王が
樹洞などで集団越冬します。
その女王たちが暖かくなったので洞から出てきたのでしょう。
巣があるわけではありません。
つまりここに写っているのはすべて女王蜂です。
女王たちはこれから巣を作る場所を探しに飛び立ちます。
巣がある時は巣を守ろうとして気性が荒くなったりもしますが、
こんな時ならおとなしいものです。撮影させてもらいました。
ムモンホソアシナガバチは、この辺りにいるアシナガバチの中で一番美しいと思います。
さて、越冬していた樹洞はどこにあるのでしょう?
ハチの間を覗いてみると、樹洞の入口らしきものがありました。
よく見えないので少しどいてもらおうと息を吹きかけたら、
一斉にフワーッと飛び立ちました。
私の体にとまったものも何頭かいましたが、もちろん刺されません。
そして入口が見えました。
中にはまだ何頭かいるようです。
こんなところで集団越冬するハチがいるってご存知でしたか?
ということで、もうほとんどいないですし、そもそもあまり危険はなかったのですが、
念のため周囲は囲ったままにしてあります。
残っている女王たちもすぐにどこかに行くことでしょう。
どこか人通りのないところで、ひっそりと巣を作ってくれるといいですね。
これと同じハチをご覧になりたい方は自然観察センターまでおいでください。
昨年の8月19日に捕獲したムモンホソアシナガバチを展示しています。
現在生き残っているのはすべて女王蜂です。
まだ20頭以上いますよ。