皆さん、時どき小さくて赤いアリが長い行列を作っているのを見かけますよね?
今日は自然観察センター・しらかしのいえの入口階段にその行列ができていました。
▲アリの行列
この行列を作るのは体長2.5mmほどのアミメアリです。
彼ら、いや彼女らには女王アリが存在せず、働きアリが働きアリを産み、
また決まった巣がなく、石や倒木の下などに野営の巣を作り、頻繁にその場所を変えます。
つまりこの行列は引っ越しの時に見られる行列なのですね。
行列は数十メートルにおよび、どこか出発点でどこが終着点なのか分からないほどなのですが、
初めて見てから3時間が経っても、一向に数が減る様子がありません。
数十メートルの行列が3時間経っても途切れないなんて、
いったいどれほどのアリがいるコロニー(集団)なのでしょうか?
図鑑によれば大きなコロニーの働きアリの数は数十万頭にも達するそうです。
▲アミメアリ(フタフシアリ科)
白いものをくわえているアリがいますね。卵や幼虫などです。
行列は右から左へ移動していました。
1頭をアップにしてみましょう。
▲アミメアリのアップ
頭部に大きなくぼみがたくさんあって網の目のように見えますよね。
これがアミメアリという名前の由来です。
珍しくもなんともないアミメアリですが、
女王がいなかったり、決まった巣がなかったりと、ちょっと変わったアリなのです。