山野草園で、カタクリが咲き始めました。
カタクリは、早春の植物の代表格。スプリング・エフェメラル~春植物~といって、春真っ先に開花し、他の植物が茂る前に地上から姿を消します。
地面の下で着々と育つカタクリは、発芽から開花までに7~8年と長い年月がかかります。
心無い方の盗掘などが後を絶たないカタクリですが、数年がかりでやっと咲いた小さな命、その土地で咲き続けさせてあげたいですね。
カタクリほど目立ちませんが、よく見ると落ち葉の下から小さな野草が顔を出し始めました。
どちらも白くて小ぶりの花、セントウソウとユリワサビです。
セントウソウは切れ込みの入った葉の間から、小さな花の付いた茎を伸ばしています。
一つ一つの花は本当に小ぶりで、よく目を凝らさないと花の存在に気づかないくらいです。
春らしい、やわらかい印象の花ですね。
ユリワサビは、ワサビに似た花で<百合山葵>といいますが、全体に小型です。
濃いめの緑の葉と、真っ白な花のコントラストが爽やかな印象です。
まだ咲き始めたばかりで、蕾や開きかけた花が沢山ありました。
草丈は低いので、踏みつけないよう足元をよく探してみてください。
モミジイチゴも動き始めました。
冬芽がふくらみ、銀色の産毛に包まれた赤い葉が顔を出していました。
名前の通り、開いた葉は「モミジ」に似ている木苺の仲間です。
カタクリが咲き始めて、やっと本当の春が始まった感じがします。これから楽しみな季節がやってきますね。