今月に入ってから、ある「黒い鳥」が泉の森をにぎわせています。
今日も来館者の方に「あの黒い鳥はなんていう鳥?」と聞かれました。
この後姿・・・カラスよりずっと大きくて、よく水辺の杭の上や電信柱のてっぺんで、羽を広げたポーズを見かける鳥です。
この鳥は、カワウといいます。
「ウ」というと、「鵜飼い」のウを思い浮かべる方が多いですが、あちらはウミウ(海鵜)。こちらはカワウ(河鵜)で同じ仲間の別の鳥です。
カワウは水に潜って魚を捕まえます。しらかしの池でもス~イスイ…と潜水して、コイなどを食べているようです。
水に浮いているシルエットは、カモに比べてスリムで、首も長いですね。
~カワウさんのお通りだ~ サーッとモーゼの十戒のごとく道を開けた(?)ヒドリガモ
カワウがよくやるこのポーズ↓これは羽を乾かす仕草です。
他の水鳥のカモやサギはこんなに頻繁に羽を広げていることはありませんね。どうしてなのでしょう。
実は、ウの仲間は他の水鳥に比べて水をはじく油分が少ないため、一度潜るとかなりびっしょり羽が濡れてしまいます。
そのため、せっせと羽を広げて乾かす必要があるのです。
池にはもう一種類、黒い鳥がいます。カワウの半分くらいのサイズで、嘴からおでこ(額板)が白い鳥。
オオバンといいます。
オオバンは冬鳥で、この冬はしらかしの池に居ついてくれています。
さらに黒い鳥…カラスの繁殖の準備が始まっています。
写真はハシボソガラスです。何をしているのかというと、木の枝をくちばしで器用に折って、くわえているところです。
何本か気に入った枝を確保すると、サーッと飛び立って巣まで運んでいきます。
このハシボソガラスはしぜんかんさつ園にあるイヌザクラがお気に入りのようで、日に何度も枝を折っては運んでいきました。
カラスだけでなく、シジュウカラがしきりにさえずり、ヒドリガモも求愛ディスプレーに忙しくしていたり、生きものの世界では春は始まっているようです。