一週間前の土曜日、ボランティアさんから「湿生植物園にホテイアオイがあるので駆除した方がいいよ！！」と知らせを受けました。
すぐに確認しに行くと、湿生植物園の池に10株ほどホテイアオイが浮かんでおり、職員で除去しました。

そして今日(8/31)、またホテイアオイが浮かんでいるのを発見！
お客様から、「しらかしの池にもホテイアオイがあるよ！」と教えてもらい、確認をすると、確かにホテイアオイがありました。
そして午後、職員が胴長を着てしらかしの池に入り、発見した株はすべて取り除くことが出来ました。

～湿生植物園(左)と、しらかしの池(右)で発見されたホテイアオイ(外来種)　丸い葉のかたまりがホテイアオイです～

～炎天下での除去作業の様子～　しらかしの池はヘドロがたまり、足を取られて転倒したら危険です！

ホテイアオイはペットショップや園芸店などで簡単に入手できます。
青く綺麗な花が咲くので、観賞用として明治時代に日本に持ち込まれた外来種の植物です。(南米原産)
金魚鉢の浮草に使われたり、一時はビオトープの池にも入れられるなどしていたため、知っている方も多く、目にする機会の多い植物です。

ただ、もともと日本にあった植物ではないため、野外に持ち込まれてしまうと、水面を覆い尽くすほど繁茂して、水生植物の生育を阻害するなど、生態系に悪影響を与えます。
国の法律(外来生物法)でも、要注意外来生物に指定され、適切な取り扱いが個人、事業者に求められています。
泉の森の水辺で増殖した場合、生態系への甚大な影響が考えられるため、見つけたホテイアオイはすべて除去しました。

＜センター入口に展示しました＞

～今回の件を知っていただくため、センター入口に展示しました～

このホテイアオイは、あくまで推測ですが、心ない方が、ご自宅で要らなくなったため(もしくは販売している事業者？)
泉の森に持ち込んで廃棄したのではないか、と思います。
今回は早期に発見できたため除去することが出来ましたが、人目につかない所に侵入した場合には、気付かないうちに繁茂し、除去しきれなくなることも考えられます。

実際に手遅れになり、水面がホテイアオイで覆い尽くされてしまった地域もあります。
このようなことにならないためには、
・園芸・観賞用の植物は、野外に移出しないよう適正に管理する。
・ペットとして飼育している動物や昆虫は、最後まで飼育する(終生飼養)
　野外に逃げ出さないよう飼育施設を整える。
などの当たり前の管理が、私たち一人一人に求められています。

泉の森は、市内では見られなくなってしまった動植物がたくさんあり、訪れた皆さんに自然に親しんでいただける貴重な場所です。
そのため、動植物の持ち込み、持ち出しはご遠慮いただいています。
昆虫や植物の観察は自由ですが、観察が終わったら、他の方のためにも元の場所に戻してください。

このところ、ボランティアの皆さんが大切に管理していた植物や、昆虫の蛹などが、心ない方に持ち去られる、ということが度々起こっていました。
市民の皆さんが、動植物を身近で観察が出来る貴重な場所が、泉の森です。
一部の心ない方の行動により、泉の森の生物多様性が失われてしまうのはとても悲しいです。

園内で不審な行動をしている人がいたなど、気付いた点がありましたら、自然観察センター・しらかしのいえまでご一報ください。