またまた夜の森のお話です。
先日(10/25)は夜でないと見られない生き物を中心に紹介しましたが、
今回は生き物たちの夜でなければ見られない行動を紹介しましょう。
▲産卵するアオマツムシ(マツムシ科)のメス
外来種のアオマツムシは、オスの大きな「リューリューリュー」という鳴き声がうるさいくらいです。
その鳴き声も寒さとともに弱々しくなってきましたね。今では昼でも鳴いています。
アオマツムシは樹上生活者ですので姿を見る機会はあまりないのですが、
時どき下草に止まっていたりするのが見られます。
そんなアオマツムシは夜間、木の幹や枝に産卵します。
メスは、まず口で樹皮をかじって穴を開け、そこへ産卵管を差し込んで卵を産むのです。
お尻の先をアップにしてみると……
▲アオマツムシの産卵管(上と同じ写真を部分拡大)
赤っぽい産卵管が刺さっているのが見えますね。
私は泉の森で今シーズン3回アオマツムシの産卵を見ています。
夜の森を懐中電灯片手に歩いていると、木の幹に緑色の虫が止まっているのでとても目立ちますよ。
お次はちょっとグロいかも知れませんが……
▲捕食中のオオゲジ(ゲジ科)
獲物を食べているオオゲジに出会いました。
オオゲジは夜行性ですので、こんなシーンも夜でなければ見られません。
何を食べているのかと思ったら……
▲獲物はニホントビナナフシ(上と同じ写真を部分拡大)
なんとニホントビナナフシでした!
お腹からムシャムシャ食べています。
私はナナフシが大好きなのでコンチクショーと思いましたが(笑)、これも自然です。
自然観察センターでオオゲジを飼育している時はハエの死骸なども与えましたが、
主に金魚の餌を食べさせていたんですよ。そんなものでもかなり長く飼えました。
しかし飼育下で食べているところを見たことは一度もありません。
野性ではこんなものも食べるのだということを初めて知った瞬間でした。
このように、夜の森にはドラマがあふれています。