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豊かな自然が広がる引地川源流の森 泉の森 いずみのもり

〒242-0029 神奈川県大和市上草柳1728番地アクセスマップ
Tel:046-264-6633(自然観察センター・しらかしのいえ)
Tel:046-260-5795(泉の森ふれあいキャンプ場)
お問い合せはこちらから

2016/9/8(木)泉の森自然情報~セミもよく見れば~【自然観察センター】

9月に入りセミの声もだいぶ静かに……と言いたいところですが、
まだまだうるさいですね(笑)。

泉の森では6種類のセミが確認されています。
ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、クマゼミです。
このうちツクツクボウシのよい写真がまだ撮れていないのですが、
それが撮れてから……なんて思っていると、撮れずに時期を逃しますので
(実際今までにもそうやって時期を逃したネタが多数あります)、
このへんで紹介したいと思います。


アブラゼミ(セミ科)
泉の森に一番多くいるのが、このアブラゼミです。
黒っぽい体に茶色の翅で、全長(頭から翅の先まで)55mmほど。
「ジリジリジリ……」などと聞こえる声で鳴きますね。

セミは人が近づくと逃げてしまうことが多いのですが、
そっと近づけば間近で観察できることもあります。
特に食事や産卵など、何かしている個体が狙い目ですよ。

▲産卵するアブラゼミのメス
これは樹皮に産卵するメスです。腹端をアップにすると産卵管(黄矢印)が見えますね。
セミのメスは少しずつ動きながら産卵管で樹皮の裂け目を探るようにして産卵していきます。


ニイニイゼミ(セミ科)
こちらはニイニイゼミ。全長40mm以下の小さなセミです。
翅には模様があり、ところどころ透けていて、
体の模様は緑色っぽいものや茶色っぽいものなどがいます。
「チーーーー」と鳴くのですが、今の時期は他のセミの声にかき消されてしまい、
声を聞くことはあまりありません。
ニイニイゼミは発生が早いので、他のセミが鳴き始める前の時期に鳴き声をよく耳にします。
しかし泉の森にはあまり多くないようで、抜け殻もあまり見つかりません。


▲鳴いているミンミンゼミ(セミ科)のオス
アブラゼミとほぼ同じ全長60mmほどで、
体に緑色の模様があり、翅が透明なのがミンミンゼミ。
「ミ~ンミンミンミンミ~ン」という声は有名ですね。
この写真の個体はちょうど鳴いているところです。
鳴いている時は翅が開いているんですよ。
さらによく見ると、鳴き声の抑揚に合わせて翅が少し閉じたり開いたり、
腹部が伸び縮みしたりしますので面白いです。

▲吸汁するミンミンゼミのメス
セミやカメムシは針のような口吻(赤矢印)を持っており、これを植物に突き刺して樹液を吸います。
弱ったセミを指に止めると、セミが木と間違えて指に口吻を突き立てることがあります。
私はツクツクボウシとクマゼミで経験したことがありますが、とても痛いですよ。
あまりの痛さに、血が出るほど深く刺さるまでは我慢できませんでした(笑)。

▲産卵するミンミンゼミのメス
ミンミンゼミも泉の森には多いので、産卵シーンを目撃する機会は多いです。
先日は自然観察センターの柱に産卵していましたよ。


ヒグラシ(セミ科)のオス
緑色っぽい体で翅が透明、全長45mm前後と小さめのセミがヒグラシです。
朝や夕方など、薄暗い時間帯に「カナカナカナ……」と綺麗な声で鳴きます。
日中でも雨雲が近づいたりして急に暗くなると鳴き出すことがありますね。
このセミでよく目撃するのが、次のようなシーンです。

セミヤドリガ(セミヤドリガ科)の幼虫に寄生されたヒグラシ
腹部に白い塊がついていますが、これはセミに寄生するセミヤドリガの幼虫です。
この幼虫は老熟すると白いロウ状物質で覆われますが、
そうなる前の裸の幼虫はうすいピンク色です。
このヒグラシには白い大きな幼虫が2頭と、ピンクの小さい幼虫1頭の計3頭がついていました。
セミヤドリガは各種のセミに寄生するのですが、
圧倒的にヒグラシが寄生されることが多いです。
セミヤドリガの幼虫は蛹(さなぎ)になる前にセミから離れ、口から糸を吐いて木の上から下りてきます。
成虫は黒くて小さい、地味な蛾(が)です。

▲糸でぶら下がるセミヤドリガの幼虫 ▲セミヤドリガの成虫



クマゼミ(セミ科)のオス
真っ黒な体で透明な翅、全長65mm前後と大きいのがクマゼミです。
「シャアシャアシャア」とか「ワシワシワシ」と聞こえる声で、
おもに午前中に鳴きます。
泉の森でも少数が鳴いていますが、姿を見ることはほとんどありません。
私は鳴きやんで飛んで行くところを1回見ただけです。
写真は自然観察センターで一時展示していた、相模大塚駅付近で捕まったオスです。

先にも書きましたように、泉の森にはこの他にツクツクボウシが暮らしています。
羽化を見ることは多いのですが、成虫は木の高いところにいることが多く、
なかなか写真が撮れません。
やや緑色がかった黒っぽい体で透明な翅、
全長は45mm前後と、ヒグラシと同じくらいです。
「オーシーツクツク」という鳴き声は有名ですね。

いかがでしたか?
セミも木の汁を吸ったり、卵を産んだりと、さまざまな生態を見せてくれます。
そろそろ成虫が少なくなってくる季節ですので、
今のうちにじっくり観察してみてはいかがですか?

泉の森
住所 〒242-0029
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