自然観察センター・しらかしのいえでは何種類かの生きものを飼育・展示しています。
その中からドンコを紹介しましょう。
~ドンコ(スズキ目ハゼ亜目ドンコ科)~
ドンコはハゼの仲間の淡水魚で、大きなものは25cmにもなります。
本来、太平洋側では愛知県より西に分布しているものなのですが、
最近はここ神奈川県などにもおり、放流されたものが定着したと考えられています。
基本的に夜行性で昼間は物陰に隠れているそうです。
でも、しらかしのいえの飼育個体なら昼間でも見ることができますよ。
ちなみに北日本ではタラの仲間のエゾイソアイナメという海水魚などのことをドンコと呼び、
「どんこ料理」?などが有名ですが、まったく別の魚なんです。
~ちょっと強面です~
下あごが前に突き出し、くちびるが分厚い顔をしていますね。悪人面かも。
口は大きく、小魚やエビなど、他の生きものを食べています。
非常に貪欲で、自分と同じくらいの大きさの魚も食べてしまうそうです。
ですからしらかしのいえでは他の魚とは別に単独で飼育しています。
~ザリガニをパクリ~
そんなドンコに、しらかしのいえでは要注意外来生物である
アメリカザリガニの子供を餌として与えています。
先日、まとめて10匹近くザリガニを入れたら、
次々に食べてお腹がパンパンになってしまいました。
満腹でも、動くものを見ると口にせずにはいられないようです。
動くものを見ると捕まえずにはいられないネコと似ているところがありますね。
時どき水槽の内側を柄つきのスポンジで掃除するのですが、
しきりに噛み付いてきます。餌だと思うのでしょうか?
このような性質ですので、もともといない地域に移入されると、
その地域の生態系を乱す恐れがあります。
外国から持ち込まれたオオクチバス(ブラックバス)やブルーギル、
アリゲーターガーほどの影響はなさそうですが、
日本の魚ではあるものの、人為的な分布拡大は好ましくありません。
勝手に連れてこられた挙句、悪者扱いされるのでは、
ドンコもたまったものではありませんね。
しらかしのいえのドンコは、魚類調査の時に捕まったものです。
そのまま逃すわけにも行かなかったので飼育しています。
しらかしのいえに遊びに来られたら、ドンコの水槽を覗いてみてください。
まるで置物のように水底でじっとしていて動かないのですが、
安心してください、生きてますよ。