先日は成虫で越冬する蝶を紹介しましたが、
今回は成虫や幼虫で越冬するバッタの仲間を紹介しましょう。
広い意味でのバッタの仲間には、キリギリス類、コオロギ類、
(狭い意味での)バッタ類などが含まれます。
そしてそのほとんどが卵で越冬するのですが、
いくつかの種類が幼虫や成虫で越冬し、
翌春になると目覚めて交尾や産卵をするのです。
成虫で越冬するバッタの代表と言えばツチイナゴです。
~ツチイナゴの成虫~
トノサマバッタよりも大きな茶色いバッタです。
冬でも暖かい日だと活動していることがあります。
~ツチイナゴの幼虫~
成虫では茶色くなるツチイナゴですが、
幼虫の時期はご覧のように鮮やかな緑色です。
成虫になる時に、越冬中目立たないよう色が変わるのですね。
続いてはヒシバッタの仲間です。
~ハラヒシバッタの幼虫~
成虫になっても1cm前後の小さなヒシバッタは幼虫で越冬します。
成虫になっても大きくなるだけで姿はほとんど変わりません。
時どき翅が長くて飛べる成虫も現れますが、
基本的には飛べないバッタです。
次もヒシバッタの仲間です。
~ハネナガヒシバッタの1種~
ハネナガヒシバッタとニセハネナガヒシバッタというのがいて、よく似ているのですが、
これはニセハネナガヒシバッタの方だと思います。
ヒシバッタの仲間ですが、ご覧のように立派な翅があり飛ぶことができます。
最後はキリギリスの仲間から。
~クビキリギス~
クビキリギスは、この辺りでは唯一成虫で越冬するキリギリスの仲間です。
この個体は茶色い褐色型ですが、緑色型もいます。
春になると夜間に「ジーーー」と大きな声で鳴きます。
クサキリというよく似た種類がいますが、そちらは卵越冬です。
現在、湿生植物園の周りを歩くとたくさんのオンブバッタや
イナゴの仲間(ハネナガイナゴとコバネイナゴ)を見ることができますが、
これらは冬までに産卵し、みな死んでしまいます。
ここで紹介したバッタたちはすでに姿をあまり見なくなってきましたが、
春になったらすぐに姿を見せるようになります。
春の再会が楽しみですね。