久しぶりの更新となりました。
真夏の泉の森にも見頃を迎えた植物が増えてきました。
まずは、 かんさつ池やまむし池で花盛りのクサギの花です。
良く見るとこんなに繊細な花です 。
アゲハチョウにとっては最高の味の蜜が出ています。
秋になるとこんな実になり、草木染めで青を染めることができます。
葉っぱのにおいをかぐと、ピーナッツバターかすりゴマの香りがします。
ニオイがくさい木なので、クサギと言われているらしいです?。
山野草園やかしゃば山林間広場で、周りの草に埋もれるようにオレンジ色の花が咲いています。
キツネノカミソリといって、9月のお彼岸頃に咲くヒガンバナの仲間です 。
春先に細い濃い緑の葉を伸ばし、球根を太らせ、8月のお盆の頃に花をつけます。
そのときには葉はありません。
ピンク色のタヌキノカミソリという中国産の園芸品種もあるそうです。
8月になってから咲き出したアジサイの仲間でタマアジサイです。
水車小屋裏の広場の東側、売店に行く道のわきに咲いています。
林の中や、縁に生えていて、あまり目立ちません。
つぼみが丸いところから、タマアジサイとつけられたようです。
普通のアジサイは6月頃から咲きますが、これは7月末から咲き出します。
泉の森の林の中に自生していたものをこの場所に移しました。
最後に、湿生植物園の水路わきに目立たない色で咲くワレモコウ。
語源がおもしろいですよ。
名前をつけるときに学者が集まって「花の色はなんだろう」と話し合いました。
「茶色だ」「紫だ」という声の中に「いや我は紅だと思う」という人がいて、「我亦紅(ワレマタコウ)」となり「ワレモコウ」となったという説が有力です。
しかし、私が牧野富太郎博士のお弟子さんから聞いた説では、昔ある殿様が野遊びに出かけ、休憩で野原に腰を下ろしたときに、家来が我先にと殿様の近くに押しかけてきたが、この花だけがひっそりと咲いていたのを見て、殿様が「われももっと近くに来う」と声を掛けた。それから「ワレモコウ」になったということです。
なんとも夢のある話です。
バラ科。葉は羽状複葉でふちにはギザギザがあります。
秋に茎を伸ばし、先端に穂状の花をつけますが、実際はがくで、花びらは退化しています。
穂状の花の場合普通は下から先端に向かって花を開いていきますが、この花は先端から下に向かって進みます。
多年草ですので、毎年出てきますが、特に水辺の植物ではないので、本来の草原に戻す作業を進めています。
この時期は昆虫ばかりが注目されがちですが、園内をよく見渡すと見頃を迎えた植物がたくさんあります。
熱中症対策を十分にして、ぜひ泉の森に遊びに来てください。