湿生植物園で、ハンゲショウが見頃になっています。
ハンゲショウは水辺に生えるドクダミ科の多年草で、夏至から11日目にあたる「半夏生」の頃花が咲き、葉が白くなるのでハンゲショウ(半夏生)というのですが、今年はずいぶん前から葉が白く、花も咲き出していました。
~群生するハンゲショウ~ 花が次々に開花し、まさに今が見頃です
今年の夏至は6月22日です。半夏生は例年、7月2日頃から七夕(7月7日)までなのだそうですが、今年のハンゲショウは今がピークといった感じです。
*参考:2014/6/21 泉の森自然情報~夏至です~
*2013/6/14 泉の森自然情報~ハンゲショウが綺麗です~
*2012/6/24 泉の森自然情報~ハンゲショウ~
夏の夜に咲く花といえばカラスウリですが、その仲間のキカラスウリが咲きはじめました。
カラスウリは8月~9月頃、キカラスウリはそれより少し早く7月中から咲き出しますが、今はまだ6月の中旬です。
~縁がレース状に裂けた花が面白いキカラスウリ~ カラスウリよりレース状の部分が短い.
夕方咲くカラスウリ類の花は、夜活動するスズメガなどが蜜を吸いに来ます。
闇夜に怪しく照らし出された真っ白い花は夏の風物詩ですが、こんなに早く咲いてしまうと利用する昆虫が困らないのかな…など余計な心配をしてしまいますね。
スズメつながりで…最近センターの近くでよくスズメを目にします。
スズメは人の暮らしに密着した鳥のため、森の中などで目にすることは稀です。
ではなぜ泉の森に来ているのかというと…季節の恵のクワの実を食べに来ているのです。
つい先日までは、クワの実を咥えて巣に持ち帰る親鳥が沢山いました。
今週は、親に連れられて一緒に実を食べに来た子ども(巣立ち雛)が増えました。
巣立ったばかりのスズメの子は、ほっぺの黒い部分が小さく、全体の色も淡いのですぐ子どもと分かります。
くちばしの横も黄色くて(成鳥は真っ黒です)いかにも子ども、という雰囲気です。
人間が食べても美味しいクワの実ですが、泉の森は野鳥や昆虫たちが最優先、動植物の採集は禁止です。
実を採るためか、枝が毎日のように折られて痛々しいクワの木。少し味見したい気持ちは分かりますが、森で生きる生き物たちの大切な食料であることを心に留めていただければ、と思います。