5/19(木)多胡記念公園にある慈緑庵で「香りを楽しむ会」を開催しました。
3年振りとなった今回は、「香り文化と東福門院和子」と題しまして、寛永文化の担い手の一人である東福門院和子の時代背景や、その功績から見た香りの文化について学びました。
13歳で結婚した和子は、朝幕関係の改善という大きな任務に尽力する一方で、ファッションリーダーとして宮中に小袖の習慣を広めました。
また、香道や茶道にも造詣が深く、当時の最高水準の技術で数々の道具を作らせ愛用したそうです。
洗練された形式への志向と、沸き上がるアイディアを実現する実行力(とお金)によって、職人たちの技術も上がり、後の文化の発展に大きく繋がったのですね。
夫、後水尾天皇の洗練された芸術センスと優美さを追求する姿勢もさることながら、それを支えた和子もまた、大変優れた芸術センスの持ち主だったようです。
和子にまつわる話は尽きる事がなく、あっという間の1時間半でした。
休憩時間にも、参加者の関心は高く、香りの話に花が咲きます。
後半は、いよいよ香り袋作り体験です。
香りの原料は、人工的に大量生産できるものではなく、大変貴重なものであることを伺いました。
今回は、日本最古の香り袋と言われている、正倉院の御物「衣斐香(えびこう)」の調合比を参考に作ります。
龍脳(りゅうのう)の香りがとても刺激的でした(ご使用は少なめに)
残念ながら、現在コロナ禍により、お道具を回して香りを聞く『聞香』(もんこう)が行えない状況です。
参加された皆さまからも、次回は是非、聞香体験をしてみたいとの声が多く聞かれました。
状況が落ち着きましたら、ぜひ聞香体験をしに慈緑庵へお運びください。
講師 柳 健一氏(香薫企画・御家流)
主催 (公財)大和市スポーツ・よか・みどり財団