ハチミツを集めるミツバチは、絹糸を作るカイコとともに昆虫では数少ない家畜です。
ハチミツを採るために日本で飼育されているのは主にヨーロッパ原産のセイヨウミツバチ。
しかしもともと日本にもミツバチは生息しています。
それがトウヨウミツバチの1亜種、ニホンミツバチです。
ニホンミツバチはセイヨウミツバチより黒っぽいので、慣れると見分けられます。
そのニホンミツバチも最近は数を減らしているという話ですね。
ニホンミツバチは樹洞などに営巣するので、大木が減っていることも原因でしょうか。
そんな貴重なニホンミツバチの巣が泉の森で見つかりました。
▲巣門から顔をのぞかせるニホンミツバチ(ミツバチ科)
巣は泉の森の北東にあるこもれび広場の西側園路沿いです。
針葉樹の根元に巣門(出入口)がありました。
▲2か所の巣門
出入口は2か所あります。
ミツバチは春に新しい女王蜂と雄蜂が生まれ、交尾した新女王が巣を引き継ぎます。
では古い女王蜂はどうなるのでしょう?
古い女王は約半数の働き蜂(性別はメスです)を引き連れ、別の場所に新しい巣を作ります。
これが分蜂(ぶんぽう)です。
昨年までこの場所で巣は確認されていませんでした。
ということは、おそらく分蜂してきて作られた新しい巣なのでしょう。
▲ニホンミツバチの働き蜂
ハチというとなんでもかんでも毛嫌いする人が多いですよね。
しかしミツバチはおとなしいハチです。
毒針は持っていますが、ハチの方から積極的に攻撃してくることはありません。
彼女らが針を使う時は自分自身、あるいは巣を守らなければならない時です。
ハチをつかんだり、巣を刺激すれば攻撃してきます。
しかしそれ以外の時に攻撃してくることは、まずありません。
ちなみに上の写真は巣門にギリギリまで近づいて1匹をドアップで撮りました。
こんなことをずっとしていましたが刺されません。
つまり巣の近くを通ったくらいで攻撃してくることはないのです。
ただし、柑橘系の匂いはハチを刺激するので、興奮したハチが刺しに来ることがあります。
私も昔、シトラス系の整髪料をつけていて、ミツバチに髪の中に入られたことがありました。
幸い刺されませんでしたが、ちょっと怖かったです。
▲巣の前に掲示した注意書き
このようにかなり安全なニホンミツバチなのですが、知らずに近づいて巣を刺激してしまう人がいるかもしれません。
そのため巣の前には巣があることが分かるよう注意書きを掲示しました。
園路が多少狭くなりご不便をおかけいたしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。