皆さん、チャドクガという蛾(ガ)をご存知でしょうか?
ツバキやサザンカ、チャノキ(お茶の木)などで発生するドクガ(毒蛾)の1種です。
今の時期と秋の2回、上記の樹木に幼虫が見られます。
▲チャドクガの幼虫(若いころは群れて生活)
このガの怖いところは、触れなくても被害に遭ってしまうことです。
写真で見える毛には毒がないのですが、目に見えない毒針毛が無数にあって、
これが風に乗って飛んできて、近くを通っただけでも体につくことがあるのです。
毒針毛はとても細かいので、衣服の繊維の隙間から中に入ってしまいます。
つまり長そで長ズボンでも安心できないのです。
幼虫だけでなく成虫にも毒針毛はあり、卵にも成虫の毒針毛がついているそうです。
この毒針毛の毒は人の命にかかわるような強いものではありませんが、
とてもかゆくなり、場合によってはかゆみが数か月続くこともあります。
私も毎年、原因不明のかぶれに長期間悩んでいたのですが、
それがチャドクガの毒針毛によるものであるらしいことを最近テレビで知りました。
タイトルの「最凶の危険生物」というのは少々オーバーかもしれませんが、
知らぬうちに被害に遭い、それが長期間続くので危険なのです。
ツバキなどの木を剪定して風通しを良くしておくとある程度発生を防げるというので、
泉の森ではそうしています。
それでも発生してしまうことがありますので、そういう時は枝ごと切って
ビニール袋に入れるのですが、この時に被害に遭うこともあります。
上の写真のチャドクガ(もっとたくさんいました)の駆除は3人でやったのですが、
他の2人はなんともないのに私だけかぶれましたから、
毒針毛に対する反応には個人差もあるようです。
ツバキの木の下で作業していて、体中かぶれてしまったという人もいるのですよ。
また、1回やられると体の中に抗体ができて、
2度め以降はアレルギー反応が起き、1回めより症状が重くなるそうです。
被害に遭ったら抗ヒスタミン軟膏などを塗り、症状が重い場合は病院に行きます。
若い幼虫は写真のように群れて生活していますが、
大きくなると分散します。
こうなったら枝ごと除去はできませんので、殺虫剤を使うことになります。
チャドクガの毛を固めるスプレーというのも市販されているようですから、
お宅で発生してお困りの方は、ネット検索されてみてはいかがでしょうか?
なにはともあれ、コイツを見かけたら近づかないことがなによりです。
私たちも日頃から注意していますが、見落とすこともあるかもしれません。
もしも泉の森で見かけましたら自然観察センター事務所までお知らせください。