6月18日(日)に「小麦脱穀実演」を開催しました。
かつての大和市でも行われた、小麦の脱穀と精選の作業を実演しました。
実演に使用したのは、園内の畑で育てていた小麦です。6月上旬に収穫した小麦を、旧小川家の軒下で乾燥させておきました。この乾燥させる作業を「はさがけ」といいます。
【千歯扱き(せんばこき)】
千歯扱きは、木の台の上に鉄製の歯がくし状に並んだ形状をしています。この歯の間に穂を通して引っ張ると、粒が引っかかり脱穀することができます。江戸時代の18世紀初頭ごろに発明されたと考えられており、大和では大正時代ごろまで脱穀作業の主役でした。
【足踏み脱穀機】
足踏み脱穀機は明治時代末期に発明され、戦後まで使われました。足で踏み板を踏んで「扱き胴」を回転させ、そこに穂をあてて粒を弾き落とす仕組みです。
【唐箕(とうみ)】
千歯扱きや足踏み脱穀機で脱穀した麦の粒の中には、中身が軽くて質の悪い粒や藁くず、殻などのゴミがたくさん混じっています。そこで唐箕を使って、質の良い粒を選別します。唐箕は中国発祥の農具で、日本には江戸時代に伝わりました。側面のハンドルを回して内部の風車を回転させ、その風で軽い藁くずや殻などを吹き飛ばして、中身が詰まった重く良い粒を選別します。
今回のイベントでは、実演だけでなく、これらの農具を使う体験も行いました。
伝統的な農具を動かすのは初めてという方が多く、お子様から保護者の方まで、脱穀の作業を楽しんでいる様子でした。