暑い日が続きますが、今日はいくぶん過ごしやすい陽気です。
梅雨明けは来週くらいになるそうですね。
さて、自然観察センター・しらかしのいえの前庭は草が生やしてあります。
バッタなどの昆虫が生きていけるようにです。
そこで、センター庭でバッタの仲間を探してみました。
▲ショウリョウバッタ(バッタ科)の幼虫
一番多くて目立つのがショウリョウバッタです。
小さな幼虫から大きな幼虫までいろいろで、最近は成虫も見られます。
この写真の個体は茶色ですが、緑色のもののほうが多いですね。
成虫の大きさは、オスで40~50mm、メスは75~80mmにもなります。
▲オンブバッタ(オンブバッタ科)の幼虫
こちらはオンブバッタ。
成虫になるとオスがメスの上に(おんぶしているように)乗っていることが多いので
こんな名前がついていますが、幼虫のころはおんぶしていません。
ショウリョウバッタに似ていますが、ショウリョウバッタはスマートで、
オンブバッタは短くて幅が広い感じです。
成虫の大きさは、オスが20~25mm、メスで40mmほどと、ショウリョウバッタよりも小型です。
▲イナゴ類(バッタ科)の幼虫
泉の森にはコバネイナゴ、ハネナガイナゴ、ツチイナゴ、ヤマトフキバッタなど、
何種類かのイナゴの仲間がいますが、これはコバネイナゴかハネナガイナゴの幼虫でしょう。
私には幼虫の段階では区別がつきません。ゴメンナサイ。
しかしコバネイナゴの成虫がいたので、コバネイナゴかもしれません。
▲コバネイナゴ(バッタ科)の成虫
そのコバネイナゴの成虫がこちら。
コバネイナゴは名前のとおり翅が短く、腹端を超えないのが普通ですが、
中にはこの個体のように翅が長いのもいます。
そうなるとハネナガイナゴとの区別が難しいのですが、
それはいずれ解説しましょう。
▲クルマバッタモドキ(バッタ科)の幼虫
これはトノサマバッタなどに似ているクルマバッタモドキ。
センター庭では過去にクルマバッタも記録されているようですが、
これは“モドキ”の方です。
▲イボバッタ(バッタ科)の幼虫
こちらは背なか(前胸)にイボのような突起が並ぶイボバッタ。
他のバッタより毛が多く、アップにすると毛むくじゃらの感じですね。
土の露出した地面にいることが多いバッタです。
▲ハラヒシバッタ(ヒシバッタ科)の幼虫
上から見ると菱型(ひしがた)に見えるヒシバッタの仲間のハラヒシバッタ。
このバッタは成虫と幼虫の区別が難しいのですが、
大きくなかったので幼虫だと思います。
成虫には翅が長い長翅型が時どき現れます。
▲クビキリギス(キリギリス科)の幼虫
成虫で越冬するクビキリギスの幼虫。
よく似たクサキリの幼虫もいたことがあるのですが、
最近見かけず写真が撮れませんでした。
頭の先がクビキリギスはとがり、クサキリは丸いので区別できます。
▲ウスイロササキリ(キリギリス科)のメス成虫
こちらのウスイロササキリは、幼虫は見かけなかったのに、
ある日突然複数の成虫が現れました。
単に幼虫を見つけられなかっただけなのか、
成虫が他の場所から飛んできたのかは分かりません。
さらに言えば、今年はまだ泉の森でこの虫が鳴いているのを聞いていません
(去年の秋には鳴いていました)。個人的にちょっと不思議に思っています。
▲ササキリ(キリギリス科)の幼虫
このササキリはササのやぶに住む虫で、原っぱにはいませんが、
センターの庭の端っこのササやぶの近くで見られます。
成虫になると緑色になりますが(茶色っぽいものもいます)、
小さな幼虫のころはご覧のようなオレンジと黒のツートーンです。
▲マダラスズ(ヒバリモドキ科)の成虫(左がオスで、右がメス)
後肢などが白と黒のまだら模様になっているマダラスズ。
成虫になっても6~8mmの、小さなコオロギの仲間です。
幼虫から成虫までたくさんいます。
「ジー、ジー」と短く区切って鳴きます。
▲シバスズ(ヒバリモドキ科)の成虫(左がオスで、右がメス)
大きさなどマダラスズに似ていますが、体が茶色のシバスズ。
マダラスズほどではありませんが、これもたくさんいます。
「ジーーー、ジーーー」と長く鳴きます。
マダラスズもシバスズも小さい上に地面にばかりいるので、ちょっと見つけにくいかもしれませんね。
いかがでしたか?
狭い自然観察センターの前庭にもこれだけの種類のバッタたちがいるんですよ。
自然観察センターにおいでの際は、庭でバッタ探しなどいかがですか?
でもこれからの季節は暑いので、日除けや水分補給に気をつけてくださいね。
センター庭にはいませんが、泉の森にはヤブキリやヒメギス、キンヒバリなどもいて、
これらは今、成虫が鳴いていますよ。
しらかしのいえボランティア協議会の「自然あんない部会」の皆さんによる
9月18日(日)の「自然とあそぼう」はバッタ探しの回です。
興味のある方は、ぜひご参加ください。
※泉の森は動植物の採集・採取が禁止されています。
観察のために一時的に捕まえるのはかまいませんが、
観察が終わったら元いた場所に放してあげましょう。