昨冬も来ていたということですが、
今冬もミソサザイが来ており、野鳥愛好家の人気の的です。
▲ミソサザイ(スズメ目ミソサザイ科)
かなり前からいるのですが、いつでも見られるというわけではないので、
なかなか撮影する機会に恵まれませんでした。
先日、ふと見に行くとすぐに現れてくれ、ようやく近くで撮影できたというわけです。
ミソサザイは嘴(くちばし)の先から尾羽の先まで11cmほどと
とても小さな鳥で、体重は10g前後しかありません。
ご覧のように全身こげ茶色で地味ですが、
うっすらと白い眉斑(眉のような模様)が見えますね。
「チャッ、チャッ」と鳴きながら沢の石の上などをすばしこく動きまわり、
昆虫やクモなどの小さな生き物を探して食べています。
よく尾羽を立てて行動しており、その姿が可愛らしいのです。
冬以外は山地の渓流で暮らしており、決して珍しい鳥ではないのですが、
低地で見られるのは冬に限られるので人気なのでしょうか。
しかし魅力的なのは、やはり繁殖期だと思います。
オスは石の上などでさえずり、その声がとても美しいのです。
私はミソサザイのさえずりが大好き。
その声はとても複雑で文字で表すのは難しいのですが、
図鑑には「ピィツイッピルルル、ピーチィピルピル」だとか、
「ピピピ チュイチュイ チヨチヨ チリチリ」などと書いてあります。
私は後者の表現が近いかと思うのですが、
リズムや音階は文字では表現できないので、
聞いたことがない方はイメージ出来ないでしょう。
ぜひ春以降の渓流で聞いていただきたいものです。
▲下尾筒の模様
下尾筒(かびとう/尾羽の付け根の下面側)には白い斑があります。
尾羽を上げて行動するので見られる機会は多いですよ。
当初は毎日十何人もの撮影者であふれていましたが、
皆さんもう飽きたのか、人数はだいぶ少なくなってきました。
冬限定のミソサザイ、そっと見守ってあげましょう。