自然観察センター・しらかしのいえでは、
ウシガエル、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメの3種の外来種を展示して
これらが日本の生態系に悪影響を与えてしまう危険性を訴えていますが、
泉の森にはもっと大きな外来種も生息しています。
今回はそれらを紹介しましょう。
まずはワカケホンセイインコです。
~ムクノキの種子を食べるワカケホンセイインコ(12/10撮影)~
泉の森を歩いていると、大声で鳴きながら群れで飛ぶ、
尾の長い緑色の鳥を見かけると思いますが、
それがワカケホンセイインコです。
本来はインドなどに生息している鳥で、
ペットとして輸入されたものが日本各地で野生化しています。
樹洞に営巣するため、樹洞を利用する他の生物の生活場所を
奪ってしまいますし、農作物への影響も懸念されます。
そのワカケホンセイインコが、泉の森では多い時で
30羽くらいの群れで飛んでいます。
他の生物たちに影響が出ないか心配ですね。
続いてはソウギョです。
~しらかしの池のソウギョ(10/27撮影)~
しらかしの池のふれあいデッキからコイを見ていると、
ひときわスマートで青黒い魚が混じっていることに気がつくかもしれません。
それが中国原産で水草を主食とするソウギョです。
初めは食糧不足を解消する目的で、最近では大物釣りの対象魚や
水草除去のために飼育・放流されています。
体長1m以上になり、毎日体重の1.5倍近くの水草を食べるそうなので、
貴重な水生植物が生育しているところでは問題になります。
しらかしの池では70~80cmと思われるものが1匹泳いでいるのですが、
いったいどこからやって来たのでしょうか?
外国から持ち込まれた生物は、野生化すると日本の生態系に
少なからず悪影響を与えてしまいます。
外国のものだけでなく、日本の他の地域に生息する生きものも
その土地本来の生態系を崩す恐れがあるので注意が必要です。
周囲に同じ種がいたとしても、地域によって遺伝子が異なりますから、
安易に野外に放すとその土地の生きものの特徴が薄れてしまうことにつながります。
鳥や魚に限らず、ペットの飼育を始めたら、
最後まで責任をもって飼うという心構えが大切ですね。