今年はしらかしのいえ、および、しらかしのいえボランティア協議会20周年の年です。
ボランティア協議会ではさまざまな20周年記念行事を行っています。
その目玉が11/4(土)に行われた湿生植物園の池(以下、湿生池)の「かいぼり」でした。
▲緑のかけ橋から見た、かいぼり作業中の湿生池
かいぼりをしたのは緑のかけ橋より北側(上流)の部分です。
かいぼりの中心となったのはしらかしのいえボランティア協議会の皆さん。
これに市民の方がたも加わり、40人以上が水の中での作業をしました。

 

それでは当日の様子をお届けしましょう。

▲水車小屋裏の広場に集まった参加者の皆さん
最初に、かいぼりの必要性の説明を受けます。
湿生池は長年にわたる泥の堆積により池が浅くなってしまっています。
これは、そこに暮らす生物にとって好ましくないことなのです。
泉の森が整備されて20年以上になりますが、湿生池のかいぼりは今回が初めてなんですって。

▲作業の説明を受ける参加者の皆さん
湿生植物園の北端に移動し、この日にやる作業のデモンストレーションを見学します。
通常かいぼりとは池の水を抜いて池底の泥をさらい、天日干しにして外来種の駆除などを行うことです。
しかし泉の森はその名の通りいたるところから水が湧き、水を完全に抜くことができません。
ですので今回の作業は池の底に厚く堆積した泥を除去することでした。
方法は3～4人1組となったバケツリレーです。

▲いよいよ池へ
イメージができたところで池に入ります。
一見すると浅い湿生池ですが、中に入ると足がズブズブと泥の中に沈むので、胴付き長靴が必需品です。
深い泥にはばまれ、最初は歩くのもままならない状況でした。

▲隊列完成
参観者の皆さんがバケツリレーのために綺麗に並び終えました。
さあ、いよいよです！

▲バケツリレー開始
次々に泥が陸に上げられていきます。
手前にはポンプが見えますね。
池に流れ込む水路を遮断し、こうしてポンプで水を汲み上げますが……

▲あちこちで湧く水
このようにいたるところから水が湧き出していて、2台のポンプをもってしても水位は一定以下には下がりません。
直前に関東地方を襲った二つの台風により地下水位が高かったようで、湧き水の量は相当なものです。
当日は天気には恵まれたのですが、それ以前の雨の多さが作業を困難なものにしました。

▲かき出される泥
水位が下がらなかったので、泥というよりは泥水ですね。
水がもっと少なければ良かったのですが…………台風を呪いたくなります。
このため泥を上げる陸地もご覧のように泥沼化しました。

▲若き参加者
なんと参加者の中には4～5人の小・中学生がいたんですよ！
体力的にはきつかったと思うのですが、大人と同じ作業をしてくれました。

ここでブレイクタイム。
▲前日に救助＆捕獲した水生生物の展示
実はかいぼりの前日に、湿生池に暮らす在来種の救出と、外来種の捕獲が行われました。
それらはかいぼり当日、湿生池のほとりで展示されたのです。

▲救出＆捕獲した生き物のリスト
こちらが捕まえた生き物の数です。
ウシガエルの幼生(おたまじゃくし)やドンコなど、いてほしくない外来種が多くを占めています。

▲池の中から見た作業
作業は午前に2回と午後に2回の計4回行われました。
1回の作業時間は30分。
短いように感じるかもしれませんが、重労働なのです！

▲見物する方がた
池の周りでは多くの方がかいぼり作業を見守ってくれていました。

▲進む作業
泥がどんどん陸に上げられます。

こうして湿生池のかいぼりは終わりました。
一見すると、これに先立って行われた9/10のヨシ抜き取り作業ほどの劇的な変化はありません。
でも、見た目にはあまり変わらなくても、作業前と後では池の中の歩きやすさが全然違ったそうです。
大量の泥がかき出されたことが分かる言葉でした。
きっと湿生池は多くの生き物たちで賑わう池になることでしょう。

最後に、参加された方々の記念写真です。
▲午前の部に参加された皆さん

▲午後の部に参加された皆さん

皆さん、本当にお疲れさまでした！