展示していた成虫たちですが、残念ながら8月29日(火)の朝に全頭死んでいるのを確認しました。
最終的に5個の繭から4頭が羽化しました(1頭は羽化に失敗して死んでしまったようです)が、みんなオスだったため交尾・産卵を観察することはできませんでした。
旧北島家で飼育展示していたカイコたちは、7月30日(日)から8月6日(日)にかけて、マブシのなかの小部屋に繭を作りました。できた繭は13日(日)にマブシから抜き取りましたが、来園したみなさんに成虫を見ていただけるように、5個の繭を空き箱に入れて展示を続けました。そして今朝、4頭の成虫が羽化しました。
【カイコの成虫】
写真のように、成虫は白い毛に覆われたガです。翅(はね)はありますが、飛ぶ能力は退化しています。周りの赤茶色の染みは、羽化したときに出した蛾尿(がにょう)の跡です。
【蛾尿で汚れた繭】
【穴が開いた繭】
成虫は繭に穴を開けて外に出ます。こうなると絹糸が途中で切れてしまい、売り物にはなりません。蛾尿で汚れた繭も同様です。カイコは繭になってから2週間ほど経つと羽化するので、養蚕農家は繭ができてから1週間から10日後に収繭(しゅうけん・マブシから繭を抜き取る作業)を行いました。
成虫の寿命は約10日で、その間に交尾をして産卵します。