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しらかしのいえの仲間たち(メダカ水槽編)【自然観察センター】

自然観察センター・しらかしのいえでは、泉の森園内で見られる生き物を
いくつか飼育・展示しています。
以前ドンコを紹介したことがありますが、今回も飼育している生き物たちを紹介しましょう。

入口を入ってすぐの右側に、背の低い60cm水槽があります。
これは園内で採れたメダカを展示するために用意したものなので、
私たちは「メダカ水槽」と呼んでいます。

この水槽の主役はメダカたちです。

メダカ類(メダカ科)
私たちは外来生物を捕獲するため、池にトラップを仕掛けているのですが、
メダカはそのトラップに時どき入ります。
おもしろいことに、池によって住んでいるメダカの品種が違うようです。
真っ白いメダカがいる池や、ヒレが少し赤いメダカがいる池……
これはつまり、誰かが放したものなのですね。
泉の森の成り立ちを考えれば現在メダカが自然分布しているとは思えません。
ということで、泉の森のメダカも残念ながら外来生物なのです。
日本のメダカはミナミメダカとキタノメダカに分けられ、
この辺りにはもともとミナミメダカがいたようなのですが、
泉の森にいるメダカは観賞用の飼育品種のようです。
メダカは現在20尾ほどを飼育しています。

メダカ水槽には、1尾だけほかの魚も入っています。

ヨシノボリの仲間の1種(ハゼ科)
ヨシノボリ類は分類が難しく私に同定はできないのですが、これも時どきトラップに入ります。
この辺りにいるヨシノボリは、在来のものと外来のものがいるらしいですよ。
ある程度大きなヨシノボリはフナなどを飼育している大きな水槽に入れるのですが、
この個体は小さくてフナに食べられそうなのでメダカ水槽に入れています。
現在の大きさは3cmあるかないか。どこかに隠れていることが多く、いつでも見られるわけではありません。

メダカ水槽にはエビもたくさん入っています。

カワリヌマエビの仲間の1種(ヌマエビ科)
こちらはカワリヌマエビ属のエビで、
ペットショップで「ミナミヌマエビ」などと称して売られているもののようです。
これは以前も紹介しましたね。
西日本にはカワリヌマエビ属のミナミヌマエビが在来種として生息していますが、
売られているのは中国や韓国などのシナヌマエビというものらしいです。
それが逃げ出したり捨てられたりして、各地で大繁殖してしまっているんですって。
泉の森にもたくさん住んでいて、トラップにもよく入るので、
メダカ水槽にもとてもたくさんのこのエビが入っているんですよ。
体の色もいろいろで、たいていは写真のような色なのですが、
赤っぽいのや青っぽいのもいますから探してみてください。
写真の個体は卵を抱いているので太めに見えますが、普段はもう少しスマートです。

数は少ないのですが、メダカ水槽にはもう1種類のエビが入っています。

ヌカエビ?(ヌマエビ科)
こちらはおそらく在来のヌカエビです。
カワリヌマエビよりも透明感があり、よりスマートです。
一番の特徴は腰が曲がって見えること。
赤い矢印をつけた部分が曲がっているというか、突き出していますよね。
カワリヌマエビ類はここが緩やかに曲がっていて、一見して違う種類だと分かります。
本当はもっと細かい部分をルーペで見なければならないのですが、
よく分からないのでちゃんと調べていません。ゴメンナサイ。
このヌカエビと思われるエビは、4匹くらい飼っています。

ということで、メダカ水槽に入っている多数派のメダカとカワリヌマエビ類は外来生物なのです。
泉の森に本来いるはずのないこれらの生き物たちは人の手によって持ち込まれたもの。
タマゾン川と揶揄されることもある多摩川ほどではないにしろ、
泉の森の水の中もこれらをはじめとして、コイ、ドンコ、ウシガエル、ミシシッピアカミミガメなどの
外来生物が幅を利かせる、好ましくない状態になってしまっているのですね。

泉の森が本来の自然に近づけるよう、ここに暮らす生き物を採ったり、
外から生き物を持ち込んだりしないようお願いします。