すっかりセミの声を聞かなくなりましたね。
昨日はアブラゼミ2頭、ミンミンゼミとツクツクボウシ各1頭が
鳴いているのを聞いただけでした。
今日は昨日より暑いのにアブラゼミの声を1回聞いただけのような気がします。
さて、セミの声がしなくなると秋の鳴く虫の声が聞えるようになります。
昼間でも「チン、チン、チン……」と、垣根などで
とても小さな声で鳴いているのはカネタタキという、
体長1cm前後の小さなコオロギの仲間です。
▲カネタタキ(カネタタキ科)
カネタタキは垣根や植え込みがあれば、それこそどこにでもいて、
新宿のビル街の植え込みにも普通にいるのです。
しかし垣根のような入り組んだところで鳴いていることが多いので、
野外で姿を見られることはほとんどありません。
ところが建物の中に入ってくることが多く、
我が家でも毎年家の中で鳴いてくれます。
上の写真も自然観察センターに迷い込んだ個体です。
カネタタキの声は耳を澄ませてゆっくり歩けば聞こえますので、
注意してみてください。
さて、次に紹介する鳴く虫は、いてほしくない虫です。
▲フタホシコオロギ(コオロギ科)
なぜか駐輪場の杭の上にいたのはフタホシコオロギ。
日本では沖縄にいる虫ですが、
爬虫類などの餌としてペットショップで売られています。
それが逃げ出したのでしょうね。
関東地方の気候で暮らしていけるのか分かりませんが、
越冬・繁殖するようなら困ったものです。
インターネットで鳴き声を覚え、
鳴いている個体がたくさんいるのか(=繁殖してしまっているのか)調査したいと思います。
このフタホシコオロギですが、最初は死んで色の抜けたエンマコオロギかと思いました。
しかし近づくと動きます。よく見れば翅のつけ根が白っぽく、図鑑で見たことがある虫に似ています。
コオロギ類は種ごとに顔の模様が特徴的ですから顔を覗くと、
それはエンマコオロギの顔ではありませんでした。
▲フタホシコオロギの顔
ということでフタホシコオロギと同定できたというわけです。
昆虫の中には外来種はたくさんいます。
しかしペットショップで売られているフタホシコオロギが逃げて野外にいたのですから、
外国産のカブトムシやクワガタを野外で見るのと同じくらい衝撃があります
(ちょっと大げさですかね?)。
皆さんも故意や不注意で、飼育している生き物を野外に放してしまわないよう
十分注意してくださいね。