今年も旧北島家でカイコの飼育展示を行いました。
このページでは、展示期間中に撮影した写真を見ながら、カイコの成長を振り返ります。
【幼虫】
カイコは正式にはカイコガといい、チョウやガの仲間の昆虫です。
カイコの発育段階を「蚕齢(さんれい)」といいます。孵化(ふか)した幼虫を1齢、最初の脱皮を終えたものを2齢、
以後脱皮するたびに3齢、4齢といい、通常は5齢で成熟します。
今年のカイコは、7月15日(金)に購入した時点で4齢まで育っていました。
脱皮前には餌の桑(くわ)の葉を食べるのを止めて動かなくなりますが、この時期を「眠(みん)」といいます。
【繭】
5齢に成長したカイコは8日ほど経つと桑の葉を食べなくなり、体が透き通ったような色になります。この段階を熟蚕(じゅくさん)といいます。
熟蚕は2日ほどかけて繭(まゆ)を作り、そのなかで脱皮してさなぎになります。当園のカイコは7月の最終週に繭を作りました。
【成虫】
繭作りから2週間ほど経つと、羽化した成虫が繭に穴を開けて出てきます。繭から出た成虫は赤茶色の尿を排泄します。
穴が開いたり尿で汚れてしまった繭は商品価値が下がってしまうため、養蚕では成虫が出てくる前に繭を回収します。
当園では8月5日(金)に、成虫を観察するために9個残し、他の繭は全て回収しました。10日(水)に最初の1頭(カイコの数は1頭、2頭と数えます)が羽化し、最終的に6頭が成虫になりました。
成虫の寿命は1週間ほどで、その間に交尾し、産卵します。