昨日(5/6)のことなのですが、自然観察センター入口前にボランティアさんたちが5~6人集まっていました。
泉の森を散策し、センターに戻ってきて解散するところだったのでしょう。
お話をすると、その中の虫好きの方が「今日もヒシモンナガタマムシがいないんです」と言います。
聞けば何回か見に来ているのにすべて空振りらしく、この日も最後に何人かで探していたんだとか。
「さっきはいましたよ」と言いながら私が探すと、すぐに見つかりました。
あちらにもこちらにも、たくさんいます。
私が来る前はいなかったというのですが、そんなはずは……。
ということで、昆虫に興味のある3人の方と一緒にセンターの前庭で虫探しをしてみました。
▲ヒシモンナガタマムシ(タマムシ科)
先日(5/3)にも紹介したヒシモンナガタマムシ。
センター入口前のエノキの枝を積んであるところにたくさんいます。
この個体は体長6.4mmほどでした(撮影倍率から計算/以下同)。
▲クロケシツブチョッキリ(チョッキリゾウムシ科)
続いて見つけたのはバラにいたクロケシツブチョッキリ。
体長約2.3mmの小さな小さなゾウムシの仲間です。
ゾウムシの場合、口吻は体長に含めませんので、
見た目の大きさ(口吻を含めた場合)は3.0mmほど。
よほど注意していないと見つかりません。
こんなに小さな虫ですがバラの害虫で、別名バラゾウムシといいます。
▲ヒメクロオトシブミ(オトシブミ科)
同じくバラ、そしてクヌギにいたのがヒメクロオトシブミ。
揺籃(ゆりかご)を作るオトシブミの仲間では小さめで、体長約5mm。
揺籃もたくさんありました(オトシブミについては、またいずれ)。
▲クロボシツツハムシ(ハムシ科)
クヌギやコナラにいたクロボシツツハムシ。
テントウムシのような模様ですが、ハムシの仲間です。
体長は約7mmでした。
▲ヒラタアオコガネ(コガネムシ科)
コナラにいたヒラタアオコガネは緑色に輝く毛深いコガネムシ。
大きすぎて体長を計算できる倍率で撮影できなかったのですが、
図鑑などによれば体長9~13mm。
成虫は葉を食べますが、幼虫はシバ(芝)の根を食べる害虫です。
▲モンクチビルテントウ(テントウムシ科)
クヌギにいた体長約3.0mmの小さなテントウムシ。
在来種でよく似たヨツボシテントウというのもいるのですが、
これは紋が大きく毛深い外来種のモンクチビルテントウです。
皆さん、こんなに小さなテントウムシがいるのかと驚いておられましたが、
テントウムシにはもっともっと小さいものもいるんですよ。
▲キイロテントウ(テントウムシ科)
モンクチビルテントウを見た後では大きく感じますが、
おそらく普通の人が見つけられる最小サイズのテントウムシが、このキイロテントウ。
体長は約4.5mm。
紋がない黄色い上翅が綺麗ですね。
いかがでしたか?
1時間足らずの観察でしたが、この他にも何種類もの昆虫が見つかりました。
すべて特に珍しいわけでもない普通種ですが、
ボランティアの方々は初めて見る虫が多かったようです。
自然観察センターの庭という狭い空間でも、これだけの昆虫がいるのです。
皆さんも泉の森やご自宅の近くで虫を探してみてはいかがですか?
名前を調べるのは難しくても、今まで気づかなかったような小さな虫が見つかるはずです。
※泉の森では動植物の採集・採取は禁止されています。
見つけた昆虫は見るだけにしましょう。