自然観察センター・しらかしのいえの敷地内に、「自然かんさつ池」という小さな池があります。
生物の観察用に造られた人工の池ですが、年々土砂が流入し、底にヘドロがたまってきました。
また、「誰か」が持ち込んだり、周辺から移動してきた「外来種」が池で繁殖し、元々泉の森にいる生き物を押しのけて増えてしまいました。
そこで、本来は冬に行う「かいぼり」という作業を、残暑厳しい8月にボランティアさんが中心になって行いました。
ボランティアさん24人、職員5人の総勢29人での作業となりました。
「かいぼり」とは、主にため池等で、農閑期の秋から冬に水を抜き、底にたまった土砂をかき出して干し上げる作業のことです。
当日は思ったように水が抜けなかったので、泥水をすくい上げるという、かなりの重労働となりました。
猛暑の中、みんなで泥のバケツリレーを頑張りました。
~猛暑の中、泥まみれになっての作業~ 休憩を挟みながらみんなでがんばりました
今回のかいぼりの目的のもう一つは、「外来種の駆除」です。この池には、アメリカザリガニとウシガエルという外来生物が住み着いています。
ほかにも別の外来種がいるかもしれません。
それらを捕獲して、ヨシノボリやメダカ、ヤゴなど日本の生き物が住みやすい池に戻すことが目標です。
網で生き物をすくい上げ、それらを種類ごとに分別。用意した水槽に入れて、見学者の方に見てもらいました。
午後からは数のカウントと計測をしました。この日午前中に捕獲できたのは・・・
◇ウシガエル ・・・ 497匹 (全て幼体のオタマジャクシでした)
◇アメリカザリガニ ・・・ 323匹 (小さめの個体が多かった)
ウシガエルは特定外来生物(飼育も運搬もしてはいけない)、アメリカザリガニは要注意外来生物に指定されていますので、処分しました。
かわいそうなことですが、在来種を守るためには避けて通れない処置です。
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~計測と数のカウント~ バケツいっぱいのアメリカザリガニ・・・小さな池にこれだけの数が!!
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~脚の生えたウシガエル~ オタマジャクシのうちに捕獲することで、別の場所への分散を防ぎます
その他に、元々泉の森にいる生き物(在来種)では、メダカ、ヨシノボリ、ギンヤンマとコシアキトンボのヤゴ、フナ、コマツモムシという水生昆虫もいました。
でも外来種に比べると圧倒的に少なく、いかにこの池で・・・泉の森で、外来種がはびこっているかが分かる結果となりました。
まだ取りこぼしているザリガニやウシガエルは沢山います。しばらくは水を増やさないようにして、定期的に池に入り、外来種の捕獲を継続しています。
8/24(日)には、一人で1時間の作業でしたが、アメリカザリガニ134匹、ウシガエルの♀1匹・オタマ11匹を捕獲できました。
池の底には、まだまだ大量の泥があります。これらをかき出すには、今回のように大人数でないとできません。
しらかしのいえボランティア協議会のボランティアさんと、職員が一緒になって、日本の生き物が生き生きと暮らしやすい泉の森の自然を取り戻していけるよう、作業を続けていきたいと思います。
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