野鳥の家族連れをよく目にするようになりました。
春から繁殖をはじめた野鳥のヒナが巣立ち、独立したり、親からエサのとり方を学ぶため行動を共にしています。
今日は、この春生まれたシジュウカラの幼鳥が、自然観察センター内に舞いこみました。
開けていたドアから入ってきてしまった様で、職員が網で捕獲。無事野外に放鳥することができました。
~放鳥前のシジュウカラ。黒い頭はグレーで、ほっぺもクリーム色。幼さが残ります~
~早く放して!!と怒り顔?のシジュウカラ~
まだ全体に色が淡く、白い部分もうっすら黄色がかっていましたが、立派な若者。
放鳥すると、元気に羽ばたいていきました。
センターの最寄り駅「相模大塚」駅から泉の森に来る途中には、先月からツバメが元気に営巣しています。
ヒナは日に日に育ち、今日は巣の上で兄弟仲良く羽ばたきの練習をしていました。
~6月4日のツバメの巣。 ヒナはまだ産毛がいっぱい!食べる以外は寝ています~
~6月6日のツバメの巣。羽も生えそろってきて、羽ばたきの練習をしていました~
この時期、自然観察センターに、「鳥のヒナが道にいるんだけど!どうしたらいい?」というお電話や
「道ばたにいたヒナを拾いました。」と直接ヒナを持ちこんでくる方がいます。
風や巣が壊れたなどで小さなヒナが巣から落ちた場合を除いて、ほとんどの場合が
親鳥から生きるすべを学んでいる最中の巣立ち雛です。
多くの場合が、近くに親鳥がいて、我が子が独り立ちできるようにそっと見守っています。
こういうヒナを、「大変!迷子よ!!助けなきゃ!」と人間が連れ去ってしまうとします。
それは親鳥にとって「うちの子が人間に誘拐された!!」という事態なのです。
(公財)日本野鳥の会では、<ヒナを拾わないで>キャンペーンを毎年行っています。
自然観察センターでもポスターや冊子をいただきましたので、館内に掲示・配布しています。
鳥のヒナを見つけたら、焦って保護する前に、周囲をよく見渡して、近くで鳥の鳴き声がしないか?
(親鳥が「大変!人間がうちの子の近くに!!」と慌てている声かも…)
親らしい鳥はいないか?自力で飛べるヒナではないのか?などを冷静に見極めて頂ければと思います。
怪我をしているなど明らかに異常が見受けられる場合は、自然観察センターでもご相談にのることは可能です。
善意から誘拐されてしまうヒナが少しでも少なくなれば…この季節になるといつも思います。