4/27(土)慈緑庵の書院で「香りを楽しむ会」を開催しました。
あいにくの雨模様となりましたが、お香は雨の日の方が香りがたつことから、「お香日和」と表現するそうです。
先ずはお香の原料についての学びから。
沈香(じんこう)とは何か、分類の方法(香の特徴)、人工的に作れるものではなく、大変貴重なものであることなどを伺いました。
次はいよいよ聞香(もんこう)体験。
今回は、組香「さくら香」を体験しました。
先生から「今日は鼻と頭を使いますよ。」という言葉に参加者の皆さまは???
内容は、「さ」の香、「く」の香、「ら」の香を試み香(こころみこう)として聞き、本香(ほんこう)では、どの順に出てきたかを当て、その香の文字を頭文字にして五七五の俳句を詠むというものです。
参加者の皆さまは、香を聞きながら、どんな俳句にしようかと頭の中もフル回転。
もちろん、組香は優劣を競うものではなく、あくまで香で表現された主題を鑑賞し、その世界を堪能する風流な遊びですので、ご安心くださいとの説明も。
最後に、新元号が始まることから、新年や慶事に行うおめでたい組香『慶賀香』をご紹介いただき、新元号「令和」の出典である万葉集の歌を詠みました。
聞香は、炭を起こし、熱を加えて香りを聞くというほかは、何も手を加えない自然なものです。
現代は何でも映像化する時代ですが、香道は、目に見えない香りを五感を使って「聞く」という、本来人が持っている自然の感覚を研ぎ澄ませながら、香りと向き合う文化です。
お香を通じて『源氏物語』や『古今和歌集』、『万葉集』などの古典に触れたり、その背景にある日本の文化を一緒に学ぶことも香道の奥深さではないでしょうか。
参加された皆さまは、五感をフルに働かせ、古からの風雅な遊びに思いを馳せる連休初日になられたことでしょう。
来年もまた、慈緑庵でお待ちしております。
※12月に開催予定のベテルギウスまつりでは、柳先生による香り袋づくり体験を予定しています。
香道は少し敷居が高い…という方は、ぜひ香り袋づくりから香りの体験をしてみませんか。