7/20のことですが、作業員さんが中央林間自然の森で草刈りをしていたらスズメバチが飛び出したとのこと。
知らせを聞いて確かめに行くと、朽ちた切り株から出入りしているヒメスズメバチを見つけました。
▲ヒメスズメバチ(スズメバチ科)
ヒメスズメバチの特徴は、腹端(おしりの先)が黒いこと。
おもに土中に巣を作り、アシナガバチの巣を襲って幼虫や蛹を狩ります。
名前に「ヒメ」とつくので小さい印象を持たれるかもしれませんが、大きいです。
オオスズメバチの次に大きなスズメバチなのですよ。
▲切り株にあった巣口
巣があったのは一般の方が立ち入らない場所でした。
しかし草刈りをしなければならない場所ですし、毎月の点検で通るルート上でもあります。
ヒメスズメバチはスズメバチの中ではおとなしいほうなのですが、万が一のため回収することに。
その回収を昨日(8/10)やってきました。
巣を刺激してハチを飛び立たせては網でハチを捕まえ、ビンに入れます。
オオスズメバチの巣を刺激するのは自殺行為ですが、おとなしいヒメスズメバチなら大丈夫
(ハチのことをよく知らないと危ないので、くれぐれも良い子はまねをしないように!)。
当初はハチ(成虫)を捕まえたあとは巣口から殺虫剤を注入して巣口を土のうで塞ぐ予定でした。
巣の中にはこれから成虫になるであろう蛹(さなぎ)がたくさんいるはずだからです。
しかしハチを巣から追い出そうと切り株を足で蹴ったら切り株が崩れてしまったのです。
崩れた木片をどかすと巣が見えたので、巣も回収してきました。
これで安心です。
捕まえた成虫は25匹(女王蜂もいます)。回収した巣は2段(3段目を作り始め)でした。
そして繭(まゆ)は80個以上。
この巣と成虫の展示を本日から始めました。
▲繭と幼虫
前述のように繭は80個以上。
中には蛹がいるので、成虫はこれからどんどん増えるでしょう。
自然観察センター・しらかしのいえにお越しの際は、是非ご覧ください。
8/11現在、展示しているハチは以下のとおりです。
●室内展示
ヒメスズメバチの巣と成虫(今回紹介したもの)
モンスズメバチの成虫のみ(3匹)
セグロアシナガバチの巣と成虫
キアシナガバチの巣と成虫
●屋外展示(ガラス越しに観察)
キアシナガバチの巣と成虫
なお、ムモンホソアシナガバチとキボシアシナガバチも近日展示予定です。